これからの道しるべ 障害福祉の現場で働く森本しおりのブログ

ADHD当事者が、障害福祉の仕事を通じて見つけた処世術を書きとめていきます。 ジャンル:発達障害、メンタルヘルスなどなど

「お金にこだわりたくない」という、捉われがあった

今思うと、「新卒の就活時に、給料欄をまったく見ずに応募していたのってかなり特殊だったんじゃないか?」という気がします。

 

「お金のこだわりがある人」と聞くと、お金がほしい人と想像されると思います。

私は逆で、「お金にこだわりがない自分」に対するこだわりがありました。

もっと言えば、お金について口に出すことにためらいがあったし、深く考えることが怖さ、後ろめたさ、罪悪感がありました。

だからこそ、私にとって

「お金とは、ブラックボックスの中に入っていてよく見えない」部分でした。

 

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子どもの興味の幅を広げてくれる大人

 

ちょっと前にBooks&Appsで読んだ記事を思い出しました。引用させていただきます。

 

”人によっては、「子どもの前でお金の話は絶対しない」なんて人もいます。

なんというか、性の話と同じように、お金の話を軽いタブーのように扱っている親御さん、ちょくちょく見受けられるんです。あまり触れてはいけない話題、触れることが道徳的に忌避される話題。”

お金なしで生きることは出来ないのに、子どもの頃にお金のこと教えないでどうするんですか | Books&Apps

 

うちは典型的な「お金の話を軽いタブーのように扱っている」家でした。

「お金の話をあからさまに口に出すことは、いやしいこと」といった雰囲気がありました。

これは、もったいなかったなぁと感じます。

ちなみに、「暴力シーンが多い映画」や性の話題も禁止されていました。

口に出してはいけない話は多い家だったと感じます。

 

みんなお金についてって、どういう教育を受けるのでしょう?

 

私が「こういうお金の教育はとてもいいなぁ」と感じたのは、

 

君たちはどう生きるか』の中で、「粉ミルクはどうやって、自分の手元に届いたのか?」を考えるシーンです。

 

”僕は、粉ミルクが、オーストラリアから、赤ん坊の僕のところまで、とてもとても長いリレーをやって来たのだと思いました。工場や汽車や汽船を作った人までいれると、何千人だか、何万人だか知れない、たくさんの人が、僕につながっているんだと思いました。”

君たちはどう生きるか』p.86 吉野源三郎 岩波文庫

 

この手紙に対する返信がすごくいいのです。

 

”僕はあの手紙を読んで、お世辞でなく、本当に感心した。自分であれだけ考えていったのは、たしかに偉いことだと思った。

…(中略)

実は、コペル君、君が気が付いた「人間分子の関係」というのは、学者たちが「生産関係」と呼んでいるものなんだよ。―人間は生きてゆくのに、いろいろなものが必要だ。そのために、自然界にあるいろいろな材料を使って、いろいろなものを作り出さなければならない。”p.90 同上

 

 

この部分を選んだ理由は、

「子どもの気づきを大人が受け止めた上で、膨らませている」からです。

 

子どもは色々なことを疑問に思います。

「どうして、同じものなのに値段がちがうの?」とか

「なんでこれを今買えないの?」とか。

 

もうちょっと大きくなって、中学生や高校生になったらニュースを見た時に

「消費税が上がるってどういうこと?」とかも、きっかけになります。

 

そうした疑問を解消するのは、子どもだけでは難しいです。

その疑問について一緒に考えてくれたり、つながっている新しい知識をさずけてくれたりする大人がいるのといないのとでは大違いです。

 

つまり、興味の幅を広げてくれる大人がいると

子どもは罪悪感を感じることなく、強制されることもなく学んでいけると感じます。

知っていくことは、楽しいと感じられるのは、財産です。

 

両親のお金へのスタンスは、子どもに伝わる

 

究極は、お金についてネガティブなイメージがなければそれが一番かもしれません。

毎月請求書が来る時期にため息をついていたり、イライラして夫婦喧嘩をしている家庭と、

お会計の時に気持ちよく「ありがとう」とお礼を言いながら支払をしている家庭では、子どもの中での「お金」のイメージが変わってくるはずです。

 

稼ぐことについても、

 

サラリーマンで毎月決まった日に一定額の給料が振り込まれる人と

自営業で収入に波がある人では捉え方が変わってきます。

 

私の家は、お金についてブラックボックスに入っている状態でした。

疑問はそのままブラックボックスに吸い込まれていく。

 

悪い影響を受けるよりはよかったかもしれません。

よく言えば、現実的な困難から「守ってくれていた」家です。

 

ただ、私自身もきちんと考える機会が失われていたように感じます。

大きくなってからは自己責任の部分も大きいですが、今でも

お金のことを口にするのはとても苦手です。

 

ちゃんと管理できるようになるまでに、かなり痛い目に会いました。

今でもきちんとできているとは言い難いですが、

以前持っていた

「漠然としていたお金への恐ろしいイメージ」

「賃金をもらう時の、妙な罪悪感」や「支払をする時に、あまり深く考えないようにしよう」といった避ける傾向は少しだけ意識できるようになりました。

 

あなたは、お金に対してどんなイメージを持っていますか?

「お金をたくさん欲しい」以外にもこだわりはあるはずです。

「あまり考えないようにしたい」とか「ケチケチしていると思われたくない」「お金よりも大切なものがある」というのも、行き過ぎると捉われになる可能性があります。