これからの道しるべ 障害福祉の現場で働く森本しおりのブログ

ADHD当事者が、障害福祉の仕事を通じて見つけた処世術を書きとめていきます。 ジャンル:発達障害、メンタルヘルスなどなど

心の傷は放っておいても治らない

子どもの頃、転んで怪我をしてもグッと痛みをこらえて「平気」と強がると、周りの大人は「強いね」「えらいね」「大人だね」とほめてくれました。

 

大人になった今でも「すぐに立ち直ること」が求められているように感じます。

 

仕事での失敗、失恋、引っ越しに伴う親しい場所や人との別れ、ペットとの死別などなど・・・。

傷ついたばかりの頃は周りもよく話を聞いてくれますが、3ヶ月も同じ話をすると「まだ言っているの?」となってしまいます。

 

私たちは「前に進まなきゃいけない」というプレッシャーにさらされているのです。

 

でも、果たして「すぐに立ち直ること」がいいことなのでしょうか?

心が傷ついた時、ぐっとこらえて笑顔を作る。周りには迷惑をかけない。これは必要なことだと思います。

私が心配なのは、他人に見せる部分だけでなく自分の心にも嘘をついてしまう人が多いのではないのか?ということです。

 

自分の傷を否定することは、「そこにあるもの」を「なかったこと」にしてしまうことです。自分の弱い部分や嫌な部分にふたをして、目をそらしてしまう。現実をそのまま受け止めない。

 

自分の感覚を否定したり、心に嘘をついたりすることを繰り返すと、自分が何を感じているのかわからなくなってしまいます。自分そのものが曖昧に感じられてしまったり、思いもよらない形で病気として現れることになったりします。

 

きちんと悲しみを味わう期間は必要です。

いくら否定したって、傷はそこにあるのです。

 

絶望したり、すでに終わったことを怒ったり、悲しんだりすることは一見意味がないように感じられるかもしれません。

 

痛みをごまかしている時よりも調子が悪くなったと感じるかもしれません。でも、それは自然な状態なのだと思います。

悲しみを受け止めるには、時間がかかります。

 

一人の時間にじっくりと思い出す。

気が済むまでノートに綴る。

自分の境遇に似た本を読んだり、映画を視たりする。

そして、心から信頼できる人にだけ少し打ち明ける。

自分の心に嘘をつかずに、痛みを受け止めていく方法はいくつかあります。

 

心の底から信頼できる人以外には、打ち明けない方がいいと思います。

心無い仕打ちを受ければ自分も傷つきますし、相手もじめっとした話を聞かされるのは不愉快でしょう。

そんな人たちとは、落ち込んでいる期間は距離を置けばいいのです。

 

あなたは、きちんと心の傷を受け止めていますか?

なかったことに、していませんか?